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「だからどうしてもつけたかったの。
女の子だったら京香とか、京子とか、色々考えてたんだけど男の子だったし。
京介とか、京一とかどうかしらって」
「そうだな、京、いい――」
「おー、いい名前だな」
「名前が決まったならさっそく、色んなところに知らせないとだな」
彼の言葉を遮るように、お義父さんと奈月のおじさまが言う。
寝てばかっりの子を見てるのが飽きたからだと思うけど、いきなり会話に混じらないでほしいわ。
「とりあえずは石動の家と奈月の家、後は穂村と御堂に一応は伝えんとまずいか」
「穂村はともかく、御堂はどうしようか」
「言わない訳にはいかないだろう。
次の石動になるかも知れない子どもだからな」
「それはそれは。
いまから面倒事の臭いがするな」
お義父さんとおじさまはまだ決定じゃないってのに、あーでもないこーでもない言いながら部屋を出て行ってしまう。
……まぁ、京、も素敵だからいいけど。
それにしても、次の石動、か。
この子に大きな重荷を背負わせちゃうってことなのよね。
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