-1:書店にて

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        「いや、でもだね」      男の子の言葉に素直に頷こうとしないで、本屋のおじさんは困ったようにその男の子の顔を見ている。     「俺が責任持つ。  それにこれぐらいの幼い子は、より強い魔法に興味を持つ年頃なんだと思うし」      君が責任を持ってくれるなら。      おじさんはそう言って、渋々とだけど棚から本を取り出してくれた。      その事には感謝するわ。  でもね、幼い子ってどういう意味よ。      確かに同じクラスのコに比べれば背は低いし、幼く見えるけど。     「俺が買って彼女に貸す、それならこの店には迷惑はかけない」      男の子はそう言って数冊の分厚い本と、薄っぺらい絵本みたいな本のお金を払うと、あたしが叩きつけたお金を私に差し出す。    
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