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「………まぶし…」
カーテンから洩れ出した日の光が俺こと長瀬 拓海(ながせ たくみ)の顔を照らしていた。
「…ふぁ…」
大きく欠伸をし、俺はカーテンを寝ぼけた手つきで開く
天気は快晴、雲一つない青空は太陽が己の存在を示すには持ってこいの舞台と言えるだろう。
「変な夢見た気がする…」
なんとか思い返そうとまだまだ漠然とした意識をフルに活用するが、寝起きの頭ではそれすらも叶わない。
寝起きのせいである。断じて俺はバカではない。
「…まぁいいや」
思い出せないなら、と早々に考える事を放棄する。
分からない事は深く考えないのが俺の処世術である。
時間を確認するために枕元に置いてある携帯電話を取ろうと手を伸ばす。
―――ブーッ!ブーッ!ブーッ!
「――!!」
まるで見計らったかのように震え出したケータイに一瞬ビクッとしてしまう。
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