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部活の終わり。
帰ろうと、戸締まりの確認をしていた。
その時、知らない男子が入ってきた。
ネクタイの色が、学年いっこ上。
こちらを見ている。
「もう、誰もいない?」
そう聞かれたので、「はい」と答えると。
「じゃぁ、君のために弾くから、聴いてて」
と、言って、ピアノの前に座った。
まさか…と思ったら、本当に弾きはじめる。
『エリーゼのために』
甘い旋律に、情熱的な調べ。
胸がときめき、彼の音色は、私の胸を焦がしていった。
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