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ある冬の日、ルキは、いつものように金色の姿の名を呼ぶ。
ルキ「レナモーン❗」
レナモン「…」
ルキ「…?」
いつもなら直ぐ側に来る筈なのに、今日は違った。
ルキ「寒いから、中に入ればと思って呼んであげたのに…」
少し頬を膨らませながらルキは縁側から部屋へ戻ろうとした。
レナモン「ルキ…どうしたの?」
突然声がかかる。
ルキ「⁉ち、ちょっと‼脅かさないでよね‼」
驚かされた悔し紛れに、大声で怒鳴る。
レナモン「…すまない‥そんなつもりは…」
いつもはピンと立っているレナモンの耳が、倒れかける。
ルキ「そんな事はどうでもいいわよ。…外寒いし、中に入ったら?」
予想外の言葉に、レナモンの耳がピンと立つ。
その時だった。
レナモン「?なんだこれは?」
ルキ「何って、雪…もしかしてレナモン雪知らないの⁉」
雪が降ってきたのだ。
レナモン「ユキ?」
レナモンは雪を知らないようで、首を傾げてオウム返しに言う。
ルキ「やっぱり知らないんだ…じゃあ教えてあげる。今降ってる白いのは、雪って言うの❗わかった?」
レナモン「わかった…ありがとう、ルキ」
ルキ「べ、別に大したことじゃないわよ////…それより、レナモン、屋根の上に連れてって❗」
レナモン「わかった」
レナモンは、ルキを抱きかかえて屋根の上に連れてきた。
ルキ「ありがと」
レナモン「ああ…雪、綺麗だね」
ルキ「うん…レナモンは寒くないの?」
レナモン「私は大丈夫だ。ルキは?」
ルキ「寒くないって言ったら嘘になる」
レナモン「どうすればいい?」
ルキ「背中合わせで座って…」
レナモン「…わかった」
二人は背中合わせで座る。その時、ルキがレナモンの腕に自分の腕を絡めた。
レナモン「ルキ⁉ど、どうしたの⁉⁉」
突然の事に腕が放れそうになる。
ルキ「放しちゃダメだからね‼」
レナモン「…わかった」
レナモンは少しドキドキしながら頷いた。
ルキ「…ホントに、雪、綺麗だね…」
レナモン「ああ…」
この時、レナモンは誓った。
『雪を優しく包む月光のように、私はあなたを包んで命をかけて守る』と…。
終
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