細川唯

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汽笛がなる。ティキのことも気になるが今は、香川に着いたことを喜ぼう。 着いてすぐ作戦会議になった。やはりみんなティキのことが気掛かりのようだ。 「そういえば後楽とティキって似てたわね。」 こんな突拍子もないことを言ったのは玉城だ。 似てる? 僕と? ティキが? わからん。 ティキは、ロン毛だ。僕はショートヘアーだ。これだけで大きな違いだ。 こいつ何見てたんだろう。 このことを玉城の心に言うと、「違うわよ。雰囲気よ。」と言われた。 それを受けて雪水も、確かに。 と言った。 やめてくれよ。 と二人の心に語りかけると笑われた。 ティキが心に与えた精神ダメージ。 これから少し救われた気分になった。 この笑いでティキを一瞬忘れられた。 よし。 香川から徳島に急ぐぞ。 「すみません。」 突然声を掛けられた。 振り返ると、ショートヘアーで、笑顔の眩しい少年がいた。 僕等と同い年だろうか。 少年は雪水に話し掛けた。 誰? 「トランシーバーさんですか?」 は? そう思った。 しかし以外にも雪水の反応は違った。 「それ。おれのモバゲーの名前だけどなんで知ってんの?」 ズル。 僕はずっこけそうになった。 そんなハンドルネームなのか。雪水。 「僕。ロンリーウルフです。」 「あー。あの。」 どうやら二人は、ネット友達らしい。 「僕。細川唯。よろしくお願いします。」 何? よろしくお願いしますって。 その理由はすぐわかった。 「貴方達。オーストラリアの病院目指しているんですよね。僕もそこに行きたいんです。僕奇病目くじらクジラ呼びなんです。」 な・・・。 何だってー。
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