3346人が本棚に入れています
本棚に追加
朝食を食べ終え、食器を片付ける律儀な俺。
「じゃぁ、そろそろ帰るな」
「えっ?帰っちゃうの?」
梨花は、寂しそうな顔を俺に向けて訴えた。
「当たり前だろ?」
いつまでもここにいるつもりは無い。
それに何より、この後お仕事なんだよ。
「そっか…」
「なんだ?まだいて欲しいのか?」
「う…うん」
照れくさいのか、頬を赤く染めて俯いた梨花。
「知るか、帰る」
「えぇっ?そこは男の優しさってヤツを発揮するんじゃないの?!」
「俺、天の邪鬼だから」
「じゃぁ、さっさと帰って?」
今度はニコッと微笑んで俺に語りかけてくる梨花。俺もそれに答えるように笑顔を作り梨花に言った。
「じゃ、帰るわ」
「えぇっ?!ちょっと!!」
俺は、涙ぐむ梨花を放って外に出た。
最初のコメントを投稿しよう!