ボロボロな自分。

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  「そんな歳で煙草吸ったら肺真っ黒だよ?!」 「わかったわかった」 あまりにうるさい梨花に根負けし、煙草を消して携帯灰皿に入れた。 「っていうか何よ一晩2万って!!アンタ売りやってるの?!」 「声がデカいッ!!ホストって言え」 「そこで何をしているッ!!」 俺とは違う、男の声が響いた。路地の遠くに、警官が立っていた。 「チッ、逃げるぞ?」 「えっ、ちょっと待ってよ!」 梨花と、ダッシュで路地を駆け抜けた。 夜とはいえ、夏だ。コンクリートだらけの東京。ムシムシした街を汗だくになりながら走った。 「オイ!お前の家どこだッ?!」 「そこの角を曲がって突き当たったトコのマンション!!」 俺たちは、梨花の住むマンションに駆け込んだ。  
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