DJ・バズー

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とりあえずなんか聞いてみたいのだが、どれを聞けばいいかわからないので、俺は思い切って、店員の兄ちゃんに聞いてみると… 「チュウボーか?」 突然のタメ語。 「はい、そうッス」 一応敬語。 店内には二人きりしかいないし、客と店員という関係より、ちょっと上のお兄さんと話す少年、という雰囲気の方が話しやすいので、タメ語は俺的には問題ない。 「とりあえずこれ貸してやるよ。」 "電気グループ"と"Y.M.O"を渡された。 「なんすか、これ??」 「日本のテクノポップだ、聞き終わったら返しに来いよ。それ店のじゃなくて、俺の私物だからさ。」 「え?、いいんすか!?、俺この店初めて来た客だし、返ってこなかったらどうするんすか?」 ちょっと驚いて聞いてみた。 「なんだぁ?パクる気なのかぁ??」 店員の兄ちゃんが俺を睨む。 「とんでもない!、でもなんでこんなに優しいんすか??」 「優しくはねーよ、…まぁ、店内に三時間もいて一生懸命ジャケット見つめている少年を見れば、貸したくなるもんさ。」 俺、三時間も見てたんだ…、気付かなかった。 「それに、クラブミュージックに目覚めようとしている少年であれば、俺は大歓迎だ、またいつでも来いよ。」 「ありがとうございます!」 この日を境に、俺はこの店に通うようになった。
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