第四章

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私は玉を込めながら相手に話しかける…。 「久しぶりね。腕を上げたわね…トッド!」 男は大きな石片の裏に女兵士を引っ張ると叫んだ。 「やっぱり師匠か!!こんな芸当できるのは師匠しかいないよな。」 このスナイパーはトッド。私が3年前に出逢った通りすがりの貧民で食べ物を盗んで追われてるとこを助けたことがキッカケで一時期共に過ごした。 私を勝手に師匠と呼び付いてくるのでスナイパーの技術を教えてあげたのだ。 「師匠!!ここを通してくれ!!俺は師匠とは戦いたくない!」 「貴方も傭兵なら私情は入れたらダメよ。私も雇われた以上ここを通せないわ」 「くそっ!なんでテロの手助けしてるんだよ!あれが完成すれば沢山の人が死ぬんだぞ!師匠は命の重みを教えてくれたじゃないか!」 トッドの叫びに私は最後の返事をした。 「だからよ…私の大切な人を奪ったのと同じ方法であいつらを!残念だけど…終わりよ…」 トッドがシーラという兵士を治療しているのを確認し私はそっと近付いた…。 「さよなら…トッド…」
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