人生最大の誤算と大悪魔

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 まさか自分が16歳にして天涯孤独になるなんて微塵も考えていなかった。  誰だってそうだろうけれど、現実に起こり得る事を今、身を持って痛感した。 「父さん……。母さん……」  遺影に写る2人は馬鹿みたいな明るい笑顔でピースサイン。  香茅は肩が小刻みに揺れるほどの感情に支配されていた。  あまりに酷過ぎる仕打ちに本来出るはずの涙は一滴さえ零れ落ちない。
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