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「美加ぁ、何処いくの?ご飯はぁ?」ハルカが鞄からお弁当の袋を出しながら教室から出ていこうとする私に声を掛けてきた。 「さっきからなんか頭痛くって、保健室で薬貰ってくる。」「マジィ?大丈夫!?」「うん、ちょっと行ってくるね。」 たまに偏頭痛を起こすし、多分今日は雨降ってるしそ所偽だろう。いつもは薬を持ってきて居るはずなのに肝心な時に限って必要な物がない。保健室に向かう階段を下りる。学校独特の大きい建物に有りがちな冷たい壁を曲がって保健室のドアを開けた。 「失礼します。」あとに頭が痛いので薬をください。と続けようと思っていたが先生は見当たらない。その代わりに中央にあるテーブルの横のソファに女子生徒がちょこんと座ってこちらを見ていた。 「あれ、先生居ないの?」丁度目が合ったので聞いてみると、ぼんやりとした目つきでその子は答えた。「今コピーを撮りに職員室行ったの。多分もうすぐ戻って来ると思うけど。」「そか。教えてくれて有難う。」そう言うと彼女は笑って首を横に振り俯いてしまった。昼休みだし午後の授業まで時間はあるから私はその子の座っている横に腰を下ろして先生を待つことにした。
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