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「早く乗れ！新しいバリアが張られちまうぞ！」
頭上を見ると虹色に輝くバリアが、どんどん下に下がって来ている。
後ろからはあの黒い靄が俺達を追って来る。
必死に走り飛行船に乗り込んだ途端、すぐに離陸した。
その間にもバリアは俺達を囲い込もうとしている。
超低空飛行で地面を滑る様に飛行船を走らせる。
「くそっ！間に合え！」
アルスは操縦桿を強く握り、極限までスピードを上げる。
ガタガタと船体が激しく揺れる。
その時船首が上向きに傾いた。
一瞬バリアに捕まったかと思ったが、船尾のベッドルームがすっぱり抉り取られた。
俺達は何とかイクサスの塔からの脱出に成功した。
そして船体が持つ事を祈りながら、タキオンに向かった。
アルスの飛行船ではもう飛べない。
タキオンに置いてある俺の飛行船に乗り換える必要がある。
それまで、サクラ……死ぬな……！
俺はタキオンに到着するまで、ずっとサクラを抱きしめていた。
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