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「やべぇ寝てない…。」
俺は朝ご飯を食べながらのそのそと着替えた。
すると俺の妹
『神川杏 カミカワ アンズ』が
俺の元に来た。
杏は髪の毛が長くてロングスカートがよく似合う女の子。
今年で十歳になる。
そんな杏が俺の顔を見てこう言った。
「お兄ちゃん寝てないでしょ。」
目の辺りを睨んで杏は言った。
「あぁ…考え事しててな。」
「お兄ちゃん今日部活行くの?」
「あぁ。もちろん。」
「何かが起こるかもしれないのに?」
「……お前昨日の帰り道の話聞いてたの?どこから?」
「盗み聞きなんてしてないよ。」
強く俺を見てそう言う杏。
「じゃあどうして?」
「お兄ちゃん今日部活行っちゃ駄目。」
「……何で?」
「何か起こる。」
杏は真っすぐ俺を見てそう言った。
「杏に何が分かるんだよ。俺は行く。甲子園に出るんだ。」
「今日行ったら甲子園にも出られないかもしれないよ?」
杏の真剣な表情。
「……分かった。部活は行かない。」
その瞬間に杏の顔がほころんだ。
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