#00 わすれもの

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あすか(M) 「線の上をひたすら歩く。ゴールなんてない。線の上のひたすら歩く」 かげ 「それ以上はダメですよ」 あすか(M) 「少しびっくりして身体が震えた。ゆっくりと振り返るが何もなかった。だから不思議そうに言ってみる」 あすか 「どうして……?」 かげ 「それ以上は死の境界線」 あすか 「死?」 かげ 「君はまだここにはいらない。だって、死んだら無になっている君が有になるから」 あすか 「……どういう意味だ?」 あすか(M) 「その瞬間、頭の中でパキンと音が鳴る。相手は笑った。とても楽しそうに」   かげ 「世界は暗闇。君は実体さえないのに何故、歩いていると感じたんだい?」 あすか 「実体がない?」 あすか(M) 「俺は間違いなくここにいる、それは間違いなわけない。間違えるわけないだろう」 かげ 「君は、君が見えるかい?」 あすか 「……え……?」 あすか(M) 「手は?、腕、顔、足、なにも見えない。確かに動いて生きてるはずなのに何も!」
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