壊れた喉で綴った歌は、 やはり腐りかけでした

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ああ、今日も君は一人膝を抱えるんだね 誰かの前ではその顔に仮面を貼り付け、 誰かが居なくなれば、ほら。 仮面は剥がれ落ちて、君の悲痛な歪んだ顔と御対面。 君は一体何がしたいんだい? 泣いてばかりじゃ解らないよ いつまで待っても嗚咽は止まない よくもまぁ身体中の水分が尽きないものだ。 此処で優しい言の葉をかけるのは簡単だ だが、出来ないのとやらないのはいつだってイコールで結ばれる訳じゃない 彼女が求めていないなら、わざわざ僕が出ていく事もない はいはい、呼ばれていない道化師はとっとと退散致しますよ。 唯、振り向き様に見た兎の様に真っ赤っかになってしまった彼女の目が、 ほんのちょっと、綺麗だ と思った。
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