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その後は滞り無く大会へのエントリーを済ませた三人。
そして、その場で要は他の二人と別れ、一人学園内にある森へと続く道を歩いていた。
要「何もこんな時に出なくてもいいものを‥」
それもこれも先程感じた悪魔の気配のせいである。
この学園に要が置いてもらっている条件の一つである『悪魔退治』
それを律義に遂行するために要は歩を進めているのだ。
「ほら、メイ。急ぎなさい!!」
「ま、待って下さい、お姉様~。そんなに急ぐと‥」
ちょうど要が曲がり角を横切ろうとした時、曲がり角の少し先からそんな喧騒が聞こえてきた。
声から察するに少女の様だ。
「何を言ってますの!?早くしないとヤツらが‥‥キャッ!?」
後ろを走るメイと呼ばれる少女を振り返った瞬間、先を走るお姉様と呼ばれる少女は急に現れた少年を避けられずそのままぶつかってしまった。
要「‥大丈夫か?」
ぶつかった少年・要は尻餅を尽きそうになる少女を片手で受け止めた。
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