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その後、二人と別れた要は自らの居住区である麻帆良女子寮へと帰ってきた。
まき絵「あ、要くんお帰り~」
寮の玄関ロビーに要が入るとほぼ同時に前方から声をかけられた。
そこには運動部四人組こと、まき絵と亜子そしてアキラ、裕奈の四人がいた。
どうやら四人ともまだ帰宅したばかりらしく制服姿のままである。
要「ん?あぁ、お疲れ様」
まき絵とアキラは各々の部の、裕奈と亜子は教室の準備に今まで励んでいたのだろう、くたびれた感が否めない。
亜子「それを言(ゆ)うたら要くんもやね‥」
そう言った亜子の視線は自然と要が両の手に握る大量の“お誘い”手紙が入った紙袋にいき、苦笑を浮かべる。
要「‥‥そうでもない、全部断るつもりだしな」
『‥‥‥‥は?』
要の答えが予想外だったのか四人は息もピッタリに疑問符を浮かべる。
まき絵「えぇっ!?何でーっ!?そんなの手紙出した娘達が可哀相だよっ!!」
そして、一瞬間の内に激昂するのはまき絵。
確かに、こういった『手紙を書き相手に渡す』行為はそれだけでも勇気がいる。
中には遊び半分の娘もいるかもしれないが、本気な娘もいるかもしれない。
そういった乙女の心情を理解できるからこそ、まき絵は憤慨しているのだろう。
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