10年前

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「…未羽はっ!?」 飛鳥(アスカ.未羽の母)が息を切らしながら医者に聞いた。 「病室で寝ています。」 「ありがとうございます。」 飛鳥は未羽の病室まで走った。 コンコン。 「どうぞ。」 看護婦の声がした。 ガラッ 飛鳥は、未羽を見て涙が溢れた。 そこには、頭に包帯を巻いて病室のベットに横になる未羽がいた。 「っ…。未羽…。」 飛鳥は、ゆっくりと未羽に近寄る。 「修クン…どうして…未羽は、木に登ったの?」 「ね…猫を助けようとしてた。僕が未羽チャンを止めなかったからいけないんだ!」 修大は泣きながら叫んだ。 「…修クン。」 飛鳥は黙って修大を抱きしめた。 その時だった。 「…ここは?」 未羽が目を覚ました。 「未羽!」 「未羽チャン!」 飛鳥と修大は未羽に駆け寄った。 「未羽…、大丈夫?」 未羽が不思議そうに言った。 「未羽…?」 「えっ…。」 「私は未羽って言うの?」 「未羽!?あなた…自分が誰かがわからないの?」 「おばさん誰?」 未羽の一言で飛鳥はその場に座り込んだ。
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