しがない魔具師

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そして冷水でさっさと汗を流し、滴る水を面倒くさそうに拭き取りながらシャワー室から出る。 冷えたミネラルウォーター片手に黒いソファーに座ると、疲れたようにため息をついた。 開けっ放しにしていた窓から入る、冷気を帯びた夜風。 あの部屋―――工房からでてきた時は気持ちよかったが、身体の冷えた今では少し肌寒いかもしれない。 しかし疲れた身体に鞭打ってまで窓を閉めようとは思わなかったので、そのままにしてミネラルウォーターに口をつけた。 「―――まずい。」 口に含んだ水を直ぐさま吐き出し、そのまま手の中で水ごとペットボトルを燃やす。 大量に水が入っていたにも関わらず、水は一滴も床に零れることなく全て水蒸気へと気化した。 そして、そのままソファーに横になる。 吐き出した水がそのままだが、拭く気力もない。 それにどうせすぐに乾くだろう。 そんなことを考えながら目を閉じると、直ぐさま意識が遠くなっていった。 .
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