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『認定……人間の世界の制度などよく知らないが、お前の魔力は魔具師むきだ。』
「おだてても何もでないぞ。」
カルマの意外な言葉に多少たじろぎながら、司王はそっけなく返す。
それを聞きながらも、カルマはすいっと司王の手を指差した。
『我は偽りも世辞も口にせぬ。』
「ほぉ……」
カルマの言葉に司王は目を丸くすると、じっと自分の手を見つめた。
『我も詳しくは知らぬが、そなたの魔力の質は魔具を作るにはもってこいである。』
詳しく知りたいならば若に聞け、とカルマは言い切った。
「若って、そこの眠り姫ならわかるのかよ……?」
訝りと呆れの混じった声。
それだけで、司王がカルマの言葉を信じていないことがわかる。
それを見ていたカルマは意地の悪い笑みを浮かべ、そのまま眠る鷹夜の元へと戻った。
『信じる・信じないはそなたの自由、好きにするがよい……』
そう言って、カルマは再び鷹夜の髪を優しく梳く。
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