9488人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前、今なんて……」
「何か間違ってた……?」
鷹夜は不安そうに言いながら再び手元を見ていると、しばらくしてから司王が小さく笑いだした。
「司王……?」
「成る程……この姫は、石を見る目はあるようだ。」
そう言っておかしそうに笑う司王に鷹夜は首を傾げながらも、気がついたように頬を膨らませた。
「『姫』って……僕は正真正銘、男だよっ!」
なんだが馬鹿にされたようで、鷹夜はさらに頬を膨らませる。
それを端から見ていたカルマも少しだけ笑うと、なだめるように鷹夜の頭を撫でた。
「採取用のハンマーも知らないくせに、よくわかったもんだ……」
「だってあんなので採らなくても、みんながいい石をくれるんだもん。」
その言い分に鷹夜はそっぽを向くと、いきなり司王が蛍石をほうり投げてくる。
鷹夜は反射的にそれを掴み、怪訝な表情で司王を見た。
「なに……?」
「お前ならその石、何に加工する?」
.
最初のコメントを投稿しよう!