奇妙な同居!?

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鷹夜の言葉など綺麗に無視して、司王は挑むように見てくる。 そんな司王の視線に訝しげな表情を浮かべるが、鷹夜はゆっくりと手にした蛍石を見た。 「この石なら……宝飾用だね。 しかも魔力を抑制する、封印具が適当だと思うよ。」 「何……?」 その言葉に、司王は再び驚愕の表情を見せる。 確かにあの蛍石ならば、宝飾用向きの物。 司王は長年魔具を作り続けただけあって直感的にわかったが、どうやらこの少年にもわかるようだ。 しかも、かなり具体的に――― 「何故、そう思う……?」 「この蛍石が放つ微細な魔力の質が、そう言っている。」 司王の困惑などつゆ知らず、鷹夜は当たり前のように言う。 その言葉で司王が鷹夜の手にある蛍石に視線を向けるが、『微細な魔力の質』など感じられない。 そんな司王の顔など見ずに鷹夜は蛍石を机の上に戻すと、じっと手を見た。 そして有無を言わさずにその手を握り、にこりと花のような笑みを零す。 .
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