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「うん、やっぱり―――司王はいい魔具師になれるよ。」
「そこの過保護な死神にも言ったが、褒めても何もでないぞ。」
そんな司王の言葉を否定しながらも、鷹夜はさらに言葉を続けた。
「何も根拠なく言っているわけじゃないよ。
司王の手というか、魔力の質が魔具師の特徴と同じような感じだもん。」
そう言ってかわいらしい笑みを見せる。
そんな鷹夜の顔を見て、司王は眉間にしわをよせながら自分の手を見た。
「魔具師の手……?」
「司王の魔力は優しくて、包み込むような大きい魔力。
こんな魔力の持ち主は、優秀な魔具師の中にとても多いんだ。」
「知ったような口だな……」
鷹夜の言葉に司王はしかめっ面で囁き、また自分の手を見た。
魔具を作り始めてはや6年。
本来魔具師という資格は、魔術学園の高等部を卒業して尚且つギルドランクSが必要となる。
司王はそのどちらも有していない。
よって司王は魔具師とは名乗れず、ただの鍛治職人なのだ。
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