奇妙な同居!?

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笑顔でお願いしながらも、有無を言わせない口調。 何か文句の一つでも言ってやろうと口を開けるが、それよりも早く鷹夜が工房から司王を押し出していた。 「おいっ?!」 司王は直ぐさま鷹夜に詰め寄ろうとするが、目の前でばたんと扉を閉められる。 しかもご丁寧に鍵までかけやがった。 司王は何度か乱暴にノックをしてみるが(とはいえ老朽化の進んだこの扉が壊れない程度にだが)、うんともすんとも言わない。 工房に続く扉はここだけなのに――― 司王は何度目かわからない盛大なため息をつくと、諦めたようにソファーに寝転がった。 「蛍石なんか、取りに行くんじゃなかった……」 後悔先にたたず―――まさか身をもって知ることになるとは思わなかった。 司王は近年稀に見る珍客に頭を痛めながらも、ゆっくりと目を閉じた。 「もう、好きにしてくれ……」 元々面倒くさがり屋なだけあって司王は早々に鷹夜たちに見切りをつけると、そのままふて寝することにしたのだった。 .
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