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『やぁ~い、貧乏人!』
『おいおい、見るんじゃねぇよ!
こっちが汚れる。』
『親に捨てられたくせにさぁ、なんでここにいるんだ?』
『いいですか?
あんな小汚い貧乏人には、近付いてはいけませんよ。』
幼き日に浴びた、暴言の数々。
どんなに耳を塞ごうが、聞こえない日はなかったあの頃―――
助けられることも、同情の目を向けられることもない。
いつもいつも、一人だった―――
『全く、珍しい人間もいたもんだ。
俺たちみたいなならず者でも、対等に話してくれるんだな……』
『いい武器だ……あんた、いい腕してんじゃないか。』
『ほんと、重宝してるよ。
私たちのような裏の人間は、簡単には魔具を買えないからさ。』
初めて、誰かに褒めてもらった。
初めて、誰かに必要とされた。
だから、俺は武器を作る。
だから、俺は魔具を作るんだ―――
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