贈り物

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そしてけだるい体を引きずるように進めていくと、奥にある扉が勢いよく開いた。 「司王ぉお~!」 扉が開いた瞬間響く、美しいボーイソプラノの声。 想像もしていなかった人物の登場に司王はがらにもなく肩を震わせると、驚いたようにその声の主を見た。 「チビ……」 「チビじゃない、鷹夜だもん!」 その言葉を鷹夜は素早く否定するが、ふと何かに気がついたようにじっと司王の顔を見上げた。 「ねぇ、司王……」 そう言って、鷹夜は司王の服の端を掴む。 「泣いていたの……?」 気遣うような、優しい声。 それに司王は決まり悪そうな表情を浮かべると、八つ当たりするように鷹夜にデコピンした。 「っ~?!」 どうやら不意打ちだったようで、鷹夜は額を押さえながら唸っている。 「なにすんだよっ!」 涙目になりながら鷹夜が叫べば、司王はおもしろい玩具を見つけたような顔で口端を上げた。 「朝からうるさいチビが悪い。」 .
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