贈り物

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司王はそれを何とは無しに見つめていると、鷹夜の盛大なため息によってようやく意識をそちらに向けた。 「何怒ってんだ……?」 「別に怒ってない、ただ呆れただけ。」 少しだけ口調が戻ってきたように感じるが、その顔には笑みはない。 司王はその居心地の悪い空気を払拭するように息を吐くと、傷のなくなった自分の手を再び見た。 「これが解毒術と治癒術……初めて見た。」 「さっきのは、初歩の初歩だから。」 その言葉にふぅんとだけ答え、鷹夜は疲れたような小さい声で言った。 「魔具師なんだからさ、もう少し手を大事にしなよ……」 鷹夜の言葉に、司王は一瞬変なものを見るような目をする。 確かに職人は手が命だが――― 「なんで……」 「傷を治すのに、理由なんているの?」 その言葉を遮れば、司王はどこか困ったようなため息をついた。 「まぁいい、それよりも……」 そう言って鷹夜の手を指差す。 .
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