贈り物

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辛辣なその言葉に司王は初めて苦笑し、否定することなく頷いた。 「確かにギルドはなんでも屋だな。 住民や国から依頼が入り、それをギルドにいる魔術師が解決する。 まぁ定義としてはこんなもんだが、実際お前が言ったように今のギルドは腐っている。」 「内外戦争の名残、だね……」 言いたいことを悟り鷹夜が言葉にすると、司王の目が変わった。 「無知ってわけじゃないようだな。」 「これほど馬鹿げた争いだもん、さすがに耳に入る。」 妖しく口角を上げる司王に鷹夜は呆れたように言い、そっと視線を遠くに投げた。 「漢字という文字を名に持つ内の人間と、漢字を名に持たない外の人間の阿呆らしい言い争い。 大分昔の話なのに、未だに遺恨を残してるんだね。」 鷹夜はどこか悲しそうにため息をつくと、そのまま視線を司王に戻す。 「話が逸れたね。 それで、ギルドランクって?」 鷹夜の言葉に司王も思い出したように頷き、ゆっくりと口を開いた。 .
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