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「名前は……そうだねぇ、焔残月としようか。」
「焔残月……」
鷹夜の言葉を繰り返すと、腕輪がまるで応えるように一瞬輝いた。
「司王を主と認めたみたいだね。」
「魔具……?」
安心したような声音に司王は一度視線を向けるが、すぐに腕輪に視線を戻した。
「確かに魔具だよ。
性能や真名に関しては、自分で探してみて。」
にこにこと語る鷹夜に返事をすることなく司王は腕輪に触れ、ゆっくり目を閉じる。
(魔具ならば、特有の波長を感じられるはず……)
司王が意識を腕輪に同調させていくと、その指先に焼けるような熱さを感じた。
「火属性……」
「正解、司王の属性に合わせてみた。」
感嘆の声を上げる鷹夜に、司王は驚愕の表情で視線を向ける。
「なんで俺の属性を……」
知っているのかと視線だけで問うと、鷹夜はにやりと笑って自分の手を突き出してきた。
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