贈り物

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「僕の癖……相手の体の一部に触れると、その人物の魔力の質や属性を探ってしまうんだ。」 特技に近いかもと鷹夜が言えば、司王は居心地悪そうにため息をついた。 「それで、これの効果はなんだ?」 「属性の補助と、魔力の底上げ。 真名を得たら、また違った力を発揮してくれるよ。」 鷹夜は笑いながら言うと、司王はさっきから気になっていることを聞いた。 「真名ってなんだ?」 「えっ……?」 あまりに突飛な質問に、鷹夜は笑うことを忘れて司王の顔をまじまじと見る。 「知らないの……?」 「知っていたら、わざわざ聞くか。」 司王の衝撃的な言葉に鷹夜はうろたえるも、瞬き一つでいつも通りの表情に戻る。 「真名は、魔具の本当の名前みたいなもんだよ。 これは魔具が生まれた瞬間からあるもので、製作者がつけた名前とはまた違うもの。 真名はその魔具の主にしかわからないんだ。」 だから教えてあげることはできないと鷹夜が困ったように説明すれば、司王は納得したように頷いた。 .
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