9487人が本棚に入れています
本棚に追加
/724ページ
狼狽している司王に意味がわからないという視線を向け、鷹夜はかわいらしく首を傾げる。
「贈り物にしては、値が張りすぎだ……」
そんな鷹夜の様子に、司王はがっくりとうなだれる。
誰か教えてくれ、この少年の金銭感覚を―――
「そんなに高価な物なんだ。
いつもトモダチが持ってきてくれる宝石の中にあるから、あんまりわからないんだよね。」
笑いながら言えば、カルマもゆっくりと頷いた。
『まだ余分にある……追加するか?』
確認するように言うカルマに、司王は物凄いスピードで首を横に振る。
これ以上は精神の毒―――無意識にそう思ってしまう辺り、やはり貧乏人だと再確認してしまう司王であった。
「とりあえず百歩譲って炎耀石はいいとして―――何なんだよ、この馬鹿みたいに強い魔具は……」
見た目にはただの豪華な腕輪だが、魔術を扱う人間が手にすればすぐにわかる。
この魔具からは、とてつもなく強力な魔力を感じるのだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!