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そんな司王の言葉に、鷹夜はおかしそうに口角を上げた。
「なんだよ、自画自賛?」
「なんでそうなる……」
いきなりの言われように司王はむっとした表情を見せるが、鷹夜は満面の笑みを浮かべていた。
「僕は、相手の魔力に見合った魔具しか作らない。」
その言葉に、司王は腕輪に何度目かわからない視線を向ける。
「俺にも、これだけの魔力があると……?」
「うん―――気付かなかった?」
司王の確認するような言葉にすんなりと頷くと、今度は鷹夜がまじまじと見つめてきた。
「自分の力はきちんと把握しておいた方がいい……何があるかわからないから。」
「俺よりはるかに年下のお前に、人生論を語ってもらいたくはない。」
そっぽを向きながら言う司王に鷹夜は淡い笑みを零すと、すいっと右手を出してきた。
「なんだ?」
「握手……今日から居候するから。」
さらりと言ったその言葉に司王が絶句していると、その隙をついて素早く握手している鷹夜がいたのだった。
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