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そう―――それはいきなりだった。
暗い闇夜を照らすように、ギルド最上階が轟音を響かせながら爆発する。
かなり大きな爆発だったようで、まるで地震のように地面が揺れる。
「っ……?!」
セイリンは立っていることができず、揺れに負けぬように膝をつく。
そして慌てて空を見上げた。
「空が―――燃えてる……」
まるで太陽のように空を明るくする炎。
その炎をじっと見上げながら、セイリンはその場に大の字に寝転がった。
「マトウ―――どうやら、終わったみたいだ……」
空から視線を外すことなく、セイリンは囁く。
例え横を見なくても、彼がいることはわかっている。
セイリンは冷たくなったマトウの腕を手探りで探し、強く掴んだ。
温かくて大きかったその手が動くことはないけど―――
「終わったんだなぁ……」
握りしめていた銃を投げ捨て、セイリンはマトウの手を握り続けた。
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