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とりあえずこのまま閉じこもるわけにもいかず、司王は渋々ながらも身支度を始めた。
「何なんだよ、まったく……」
ぶつぶつ文句を言いながら洗面所を出ると、そこにはすでに鷹夜が仁王立ちしていた。
「―――まぁまぁ早かったから許すか。」
そう言って、悔しそうに舌打ちする鷹夜。
少しでも遅ければどうにかしてしまおうという、何だかわからない魂胆まる見えである。
「まぁいいや……それじゃあ司王、行くよ。」
そう言った瞬間、鷹夜の足元に複雑な魔法陣が浮かび上がる。
そこから鷹夜が早くこいと手招きしているが、司王は怪訝な表情で立ったままだ。
「どこ行く気だ?」
魔法陣を見つめながら、司王は答えてもらえないと思いつつ鷹夜に聞く。
「きたらわかるよ。」
やはり鷹夜は行き先を言わない。
「とにかく早く乗ってくれない?
さっさと転移したいから。」
鷹夜がせかすように言うと、司王の背後にカルマが迫る。
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