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そしてずりずりと引きずって行き、鷹夜は再び扉に手をかけた。
「ここは、もしかして……」
「ギルドに決まってんじゃん。」
鷹夜のあっさりとした言葉に、やはりなと納得する司王。
そんなことを考えている司王を、鷹夜はそのまま掴んで扉を開けた。
来客を告げるベルが、涼やかに響く。
それと同時に司王が中の様子を見るようとすれば、ギルド内にいた人間全ての視線がこちらに集まっていた。
「―――視線が痛いんだが…」
わけもわからず引っ張られるままの司王が言うが、やはり鷹夜が答えてくれるわけがない。
司王はそのまま待合室のような所にあるソファーに座らされると、鷹夜は満面の笑みを見せてきた。
「ちょっとここで待っててね。」
そう言って小走りで離れていく鷹夜。
いきなりのことについていけてないのにそんな鷹夜を止められるはずがなく、仕方なしに司王は周りを見渡した。
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