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先程持っていた書類を、鷹夜はペンと共に司王に渡す。
司王は反射的にその書類を手にするが、訝るように眉間にしわをよせている。
「何だ?」
「見ての通り、ギルドの登録書。」
鷹夜の言葉があまりにも簡単だったため、しばし頷くだけの司王。
しかし直ぐさま驚愕の表情を見せると、わなわなと震える手で書類を持ちながら鷹夜を見た。
「ギルドの登録書っ?!」
「そうだって言ってるじゃん。
嘘だと思うなら、自分の目でちゃんと確認してみてよ。」
狼狽している司王に鷹夜は呆れたようにため息をつき、書類を指差した。
それに促されるように、司王は書類に視線を向ける。
「確かに……」
「ほら、わかったなら早く書いちゃってよ。」
未だに呆然としている司王を小突きながら鷹夜が言えば、司王はのろのろと視線を上げた。
「だが、何故登録できる?
俺には金もないし、コネもない。」
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