ギルド

13/29
前へ
/724ページ
次へ
そして質素な扉の前に行くと、ノックをすることなく鷹夜は扉を開けた。 「何だここ……」 司王は予想だにしなかった光景に小さく呟きながら、先に部屋に入った鷹夜に続くように足を踏み入れた。 「それじゃあ、まずは魔力測定からしようか。」 そう言って部屋にある棚から少し大きい箱を取り、中身を出した。 「―――握力計?」 鷹夜が手にしたもの……それは学校のスポーツテストなどで握り込んで計る、握力計そのものだった。 「あまり新しいものじゃないんだけど、そこにあるダンベルよりは新しいよ。」 そう言って鷹夜が部屋のすみを指差すと、そこには少し錆びたダンベルがいくつも転がっていた。 「まぁいいから、さっさと計測しちゃお。」 鷹夜は何も言わない……いや何も言えない司王に握力計を渡すと、きらきらした目で見てきた。 そんな視線に司王は疲れたような表情を返すと、とりあえず握力計を握ってみる。 .
/724ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9488人が本棚に入れています
本棚に追加