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このまま鷹夜の言葉など無視してしまってもよかったのだが、そうするといつまでも帰れそうにない。
司王は心の中で頭を抱えると、諦めたように握った握力計に魔力を流し込んだ。
「ふむふむ……よし、もういいよ。」
鷹夜は握力計に視線を向けてから言うと、司王の手からそれを取る。
そして握力計の液晶部分を見て頷き、鷹夜はそれを箱に戻した。
「じゃあ次は属性だね。」
握力計の入った箱を棚に戻しながら鷹夜は言うと、奥にある機械を指差した。
「とりあえず、そこに座って。」
鷹夜の言葉に司王はため息で答え、渋々言われた機械の前に座る。
「次から次へと、何なんだよ……」
司王は探るように機械を見てみるが、いまいち使い方がわからない。
何やらカラフルなボタンがあり、ホースのような物が伸びている。
「何ぼけっとしてるの?」
座ったまま動かない司王に鷹夜が後ろから言うと、機械から伸びるホースを掴んだ。
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