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「うん、もういいよ。」
光るボタンを満足そうに見つめながら鷹夜が言えば、司王は荒い呼吸のままホースを置いた。
「酸欠、だ……」
ぜぃぜぃと、司王は肩で息をする。
吹っ切れた思いで息を吹き込んだものの、少し頑張りすぎたようだ。
「お疲れ様、とりあえずこれで終わりだよ。」
そう言って鷹夜はまだ息の荒い司王の肩を叩くと、扉近くにあったインターフォンを手にした。
「後の手続きはやっておくから、さっきの所で座って待ってて。」
そう鷹夜が言っていると、ちょうど内線が通じたのかそのまま後ろを向いてしまった。
「了解、っと……」
これ以上ここにいても、何もすることはない。
司王は聞いていないとは思うが鷹夜の背に向かってそう言うと、そのまま部屋を出た。
「…………」
話せる人が誰もいないのだから無言になってしまうが、司王はずっと考えていた。
「何故、俺をギルドに……」
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