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鷹夜のいきなりの行動に、司王は困惑していた。
何故司王をギルドに登録しようとするのか。
そして、何故鷹夜が司王をギルドに登録することができたのか―――
「まぁいい……」
司王は諦めたようにため息をつくと、暗い廊下を抜ける。
元来、考えることはあまり好きではない。
ならば流れに身を任せようではないか。
司王は自分の中で納得するように頷き、きた時に座っていたソファーに身を沈める。
そのまま鷹夜がくるまで一眠りしようと目を閉じると、後ろから肩を叩かれた。
「よう、兄ちゃん。」
「……?」
司王は眠りを妨げられたことに苛立ちながら後ろを向くと、そこにはなんとも怪しげな爺さんがいた。
真っ黒なローブに身を包み、そこから伸びる手はしわだらけ。
聞きとりにくいしわがれた声に、異様にでかい瞳。
腰が曲がっているせいでかなり小さく見え、尖った鼻が印象的である。
そんな爺さんを司王はじろじろと見るが、見覚えはない。
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