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「―――本日未明、空空〈ウツソラ〉市で女性の惨殺体が発見されました。警察は一昨日から続く、連続惨殺事件との関係を――」
プツン、という擬音を残しテレビの画面を消す。
「それは夢か現か、はたまた幻か。司怒義〈ツヌギ〉はどう思う?」
と白い服で上下固めた服装、肌も人間として有り得ないくらい白い肌を持ち、唯一白以外の色漆黒の髪を持つ童顔の青年がソファに寝転がり、後ろにいる青年に問い掛ける。
名は黒。それ以外は決して明かさない。
クロは好んで白い服を着る。
しかし、他人が受ける第一印象はグレー。
白濁としたグレー。
オーラが、いや、存在が黒、漆黒ですら生温い黒。
「現実も幻も夢も全て異なったものだ。だからその問い掛けは無益だ」
司怒義と呼ばれた青年はコーヒーの入ったカップを適当に机に置き、憶しもせず問い掛けに応じる。
「クッ、クク…お前は分からなくないだろうに…」
さも面白いことがあったかのように不気味に笑い出す。
「姫愛〈ヒナ〉は今日来るのか?」
「ああ、多分ね」
そうか、と言いナイフを二本渡してくる。
「姫愛と一緒に殺害現場三ヵ所全て回って来い」
と告げた。
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