542人が本棚に入れています
本棚に追加
二十四日、夜九時。
「じゃ、行ってきます」
「理久。伸吾君や他のお友達にもよろしくね」
「分かった、それじゃ」
今日は伸吾のカップル、工のカップル、そして俺たちとでトリプルデート。
眠れないくらいに楽しみだった。
「こんばんは、梁瀬君」
家のドアを開けると、奈央が立っていた。
白い雪に似合う淡いピンクのマフラーを首に巻き、長い髪を一つに縛り、白いニットから束が出てる。
「お待たせ。行こ」
「はい」
少し冷たくなった奈央の手を握りしめ、歩き出した。
すると、奈央のスイッチが切り変わった。
「寒かったよぉりっくん!!」
「ごめんな待たせて。でも今はどう? 寒い?」
「…りっくんで温かい。りっくんは?」
「俺も。奈央といるとすっげぇ温かい!!」
まるで子供みたいにはしゃいでいた。
そんな時間が、とても愛おしかった。
最初のコメントを投稿しよう!