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小説は随分前から書いていた。
初めは絵を描いていたが、何か物足りなくなって、文章も書く様になったのだ。
だけどそれは絵描きになりたいからでも、小説家になりたいからでもなかった。
それとはもっと別に、叶えたい夢があるから。その為に書いていたのだ。
確かに、あの頃は文章だけでも満足出来たし、自分にはこれしかないって思ってたから、もしも大人になって仕事をするとしたら小説家になりたいとも思ってたけれど。
でも今は違う。
どんなに沢山の文章を並べても、紙の上に全てを書けずに、何かが自分の中にどんどん溜まってきている気がする。
叶えたい夢は、昔も今も変わってはいないのに…。
絵や文章は夢を叶える手段でしかなく、他のモノでも構わなかった。手段として使えるモノなら何でも。何でも…なんて言うと、少し言い過ぎかもしれないけど、手段として使えるモノの中から、一番相応しいモノを選んでやってきた。でも今は、その「手段」が何なのか判らない。小説が今の自分に合うとは思えないから。それでは満足出来ないから。
自分に相応しい手段を、絵でも小説でもない何かを探し始めていた。
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