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「…こんなんでいいかなっと」
ノートに綴られた文字を読み返してペンを置いた。
うん。はじめての日記にしてはいいんじゃないか??
「なぁお」
「あ、ちょっとー。ベッドに乗らないでよマグロ」
マグロは知らん顔で私のベッドの上でゴロゴロ喉を鳴らした。
このバカ猫め…。
小さくマグロを睨み付けてまた机に向かう。
ふと、机にある時計に目をやると短い針が11を差そうとしていた。
ぼんやりと忙しなく動く針を眺めていると、
――チクリ
「っ…!」
小さく、左胸が疼いた。
少し震える手で引き出しを開け、ピンク色のケースを取り出した。
その中の二粒、白い塊を口に入れて飲み込んだ。
苦い味が口に広まった。
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