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「おばちゃんっメロンパンメロンパン!あとクリームパン!」
「はいよー!140円ね」
「うーいっ」
ここのパン美味しいんだよなぁ…。
お金を渡して、私はメロンパンへと手を伸ばした。
「ああああっ!」
「ん?」
まさに私の手がメロンパンに届く寸前に横からサッと掠め取られた。
ギロッとその人物を睨み付けると、一番見たくなかった顔がそこにあった。よりによってコイツか、と顔を思い切りしかめる。
「そんな露骨に嫌な顔しなくても」
「うるさいっ!何であなたが私のメロンパン奪うんですか返してください。そして曲がり角で股間ぶつけろ」
「ははは、辛辣だね」
「笑ってないで返してください私のスウィートハニーエンジェル」
「そうは言っても」
俺もメロンパン好きだし?べ、と舌を出してメロンパンを軽く振る。くあ~ムカつく!
「メロンパンはアンタが嫌いですよ私に返してください」
「メロンパンも日森さん嫌いかもよ?」
「いえ相思相愛ですから」
きっぱり言ってメロンパンに手を伸ばすが、岸波が高く掲げてしまい届かない。つま先立ちになって必死にメロンパンを掴もうとしても岸波が楽しそうに高々とパンを押し上げてしまう。
…この野郎。
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