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面白い奴を見つけた。
日森七夕。
自慢というわけではないが、俺は入学してからテストは毎回トップだった。
それが関係しているのかいないのか、女子から言い寄られたり告白されたりもした。
当たり前で平凡な毎日が、音楽をリピートするみたいに繰り返されて退屈だった。
猫を被っていると言うほどではないけれど、気づけば口から出るのはうわべな偽りばかり。
楽しくなくても楽しい、何とも思っていなくても素敵だね、と。
口にするたびに空しくなるその言葉が、益々退屈を募らせていく。
中身と外のすれ違い。
本当に楽しいと思うことが目に見えるほど減っていったことに、どうすることも出来なかった。
そんな時だ。
「はーっはっは!!私日森七夕は今回のテストで頂点に輝きまーすっ!!」
まるで狼少年のような言葉を吐く少女を知ったのは。
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