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「勝負しよう」
「は?」
にっこりと笑顔を貼り付けながら言うと、彼女は思い切り顔をしかめた。
俺に近づく女はまずこんな顔しない。…ホント、面白い。
「このままじゃあ流石に俺も悔しいし。それとも、逃げる?」
「!」
今まで見たことのない女ではあるけれど、今までで一番わかりやすい。
「私が逃げる…?はっは、バカ言うなぃ」
ほら、乗ってきた…。
「私が、逃げる?はっは、有り得ないね。逃げるわけがないじゃないですか…。さあ、勝負内容を言ってみたまえ!」
何様だよ。
期末が終わったばかりだからテストは論外…。
もうすぐ夏休みに突入するとなれば。
「夏休み3日後。水泳で対決…でどう?」
「水泳ぃい!?」
目を丸くして、驚く日森。大袈裟なその様子からある仮説が浮上する。
「日森サン…まさか泳げないとか?」
「でぃすぱっ!?」
…でぃすぱ?
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