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「はーいいらっしゃい!…ガキはファミレスでハンバーグ食ってな」
俺達4人が店に入ると、エプロンをかけた日森がうげっとあからさまに嫌そうな顔をした。
俺をじとりと睨みながら日森はしっしっと追い払う仕草を見せる。
「ガキ?ガキって誰よ?まさかアタシ?」
「ちちちちち違うよ晴子!岸波君限定さ!」
黒い笑みを浮かべながら胸ぐらを掴んだ北間に、日森は蒼白になりながら目を逸らした。
だが、その言葉に反応したのは俺ではない。
「ちょっと日森さん!岸波君に失礼じゃん謝りなよ!」
「父ちゃん!水と焼き鳥」
「話聞きなさいよ!」
さらりと女の言葉を流し日森は声を張り上げる。
すると、奥から男が出てきて、日森にお盆を渡した。それにはコップに注がれた水が4つ。
「仕方ない、お客様には変わりないし。えっと岸波君は便所内でいいんだっけ」
「よくないよ」
何で便所で飲み食いしなきゃならないんだよ。
日森はお盆を片手で持つと、もう片方の手で奥を指差した。
「あちらにどーぞ」
案内された場所に4人座ると、日森はごゆっくり、と言って奥へ引っ込んでいった。
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