2.二人の怪物

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なんと運よく例の二人と出くわしたのだ。 「おれ…野球部の3年なんだけど、1週間以内に部員をあと4人集めないと廃部なんだ…。」 「君たちあの新川シニアなんだってね。」 「野球はやらないのかい?」 黒髪の肩まで伸びるロン毛に、キリリとした目の渋谷は口を開いた。 「野球やりたくて、こんな高校来るわけないでしょ。」 「先輩、残念だけど、俺ら野球から手きったから。」 「…。」 「八王子君は?」 春日は神にもすがる思いだった。 金髪で右側だけいやに髪が長い。185はあるだろうその長身の八王子に威圧された。 「やるわけないっしょ。」 「こんな、アホみたいな野球ごっこに付き合えませんよ。」 春日の胸にズキンと突き刺さる。 確かにそうだ。 この二人のいた舞台に比べれば、おれがどんなにちっぽけな存在か…。 「…。」 「でも中学で有名だった、村雨ってピッチャーが入部したんだ。」 「決して生半可な野球遊びをするつもりはないんだよ。」 「だから君たちも…。」 「いいっすよ!!」 「!?」 渋谷の一言に驚いた。まさか本当に入部してくれるのか? 「ただし、条件がある。」 「その村雨ってピッチャーが俺もし俺がそいつからヒット打ったら素直に廃部になりな。」 春日の心は考える暇を与えなかった。 「いいよ。」 村雨なら抑えられる。必ず…。 「じゃ明日グラウンドに行くんで、よろしく。」 それだけ言って二人は帰っていった。 「渋谷、あんな約束していいのか?」 「馬鹿、八王子。俺を誰だと思ってんだ?」 「去年シニアの全国選抜に選ばれたの忘れてね~よな?」 「ハッハッハ!!そいいえば、そうだったな!!」
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